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小鳥の形をした星を見て、ハリスは瞳からぽろぽろ涙をこぼしました。小鳥の形をした星は心配そうにハリスを見上げています。ハリスはその場にしゃがみこみ大きな声で泣きました。
「僕ね、小鳥を飼っていたんだ。すごくすごく大事にしてた。だけど、部屋の中で放している時に、ネコが窓から入って来たんだ」
ハリスは今はひとりで住んでいますが、小さな小鳥と一緒に住んでいました。銀のかごの中にいれて、時々部屋の中で放していました。
ぴるるるるるとかわいらしく鳴く小鳥とハリスは親友でした。お互いになくてはならない大切な存在でした。ハリスは小鳥にとびかかったネコを急いで追っ払いましたが、怪我がひどく一晩でハリスの手の中で冷たくなりました。
「ぼくがばかだった。窓がほんの少し開いているのに気がつかなかったんだ。ううん。一度だってかごから出したらいけなかったんだ」
泣きじゃくるハリスの前で星がおおきくまたたきます。小鳥ではなくかごからはみ出しそうな大きな鳥に姿をかえていました。
「君はかごの中にいなくても大丈夫そうだね」
ハリスが泣きながら笑いました。
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