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「……え?」
愛香だけでなくて、直樹も意味が分からない顔になった。
「だから。見かけた人たちが羨ましいって言ってるってこと。
イケメンと美女のカップルが、いつも幸せそうに一緒にいるって」
「……」
容姿を褒められて反応に困る愛香に、玲奈が笑っている。
「いいじゃない。憧れる、って言われてるんだから」
笑いながら言う玲奈は、直樹に視線を向けた。
「愛香は知らなかったみたいですけど、直樹さんも?」
愛香が、横にいる直樹に視線で確認すると、彼は頷いた。
「初めて聞いたよ。理想って、何?って感じだけど」
「二人って、いっつも穏やか~だから、和むっていうんですか、そういう感じ。付き合っても普通は喧嘩とかしますからね。
でも、二人はしないだろうな、ってみんな思ってるってことですよ」
玲奈の言うことは恥ずかしかったけれど、喧嘩をしたことはない。そんなことで憧れを持たれたと知った愛香は赤くなって俯くと、余計にみんなが笑っていた……
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