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どうして、勝手に決めつけたのか……きちんと準備をする性格と知っていた。だから、突然、変更するという考えが普通でなかったのに……
愛香にただの不安だと言われた直樹は、逃げ道がなくなったと思ったはずだ。自分を罠に嵌めた、倫世の父親がいる会社に行くしかないと……
きちんと聞こうとしたら、もしかしたら、直樹は倫世の罠の一部を話してきたかもしれない。口添えの部分だけなら、明かしても問題はない。
それを聞けば、愛香も辞退に賛成したはず。そして、きっと引っ越していただろう。そうなっていれば、二人は別れないでいたかもしれない。
でも、二人は、お互いの隣りにいる未来を選ばなかった。まったく違う未来へと続く道を自分たちで選んでしまった。
想いを持っていながら別れたのは、二人が選択を間違えた結果だ。
後悔に近い思いを持った愛香に、直樹は首を振った。
「愛香が悪いんじゃない。きちんと言わなかった俺が悪いんだ。
今から考えると、何やってたんだろって思うよ。
あいつがサークルを追いだされたら可哀想なんて、どれだけ自分を上に見てたんだって感じだよな。
愛香に隠れて、付き合おうなんて言ってくるような奴、その時点でサークルをかき回したのと同じなんだからな。
俺が追いだすべきだったのに……」
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