2170人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫ですよ。
二次会に関しては、俺たちがいいって言えば、誰も反対できませんから。
それに、サークルの件も、玲奈をきちんと説得します」
微笑む誠之を、直樹が眉をひそめて見返している。変わりすぎているので、まったく気づいていない。誠之が苦笑しながら挨拶した。
「久しぶりですね、田代さん。誠之ですよ」
「え?え、誠之?あの、誠之?」
何度も確認する直樹に可笑しくなる。四年ぶりに会った後輩は、まるで別人だから、彼が驚愕するのは分かる。
「はい、そうです。田代さんは変わってませんね。
ちょっと心配で愛香についてきたんですけど、ある女性に笑い話を聞かされてて、やっと解放されたんです」
「あの子、帰った?」
頷く誠之の手には有名ドーナツチェーンの箱がある。視線を向けると、彼が説明してきた。
「彼女と話したカフェの隣りにあったので、田代さんのお子さんにお土産です。
でも、びっくりしましたね。田代さんのクローンかと思いましたよ」
言いながら誠之は愛香の隣りに座った。
最初のコメントを投稿しよう!