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母親はヴェール・ダウンをしてから、親戚たちが座っている席に向かった。
愛香は父親と並んで、扉の前で待っている。
「お父さんとヴァージンロードを歩けて幸せよ」
小さな声だったけれど、父親には聞こえたようだ。
「ああ……お父さんも幸せだ。
愛香……名前のように愛が香る家庭を作るんだよ」
自分の名前のとおり、誠之と一緒に愛が香る生活を送りたい。
「はい……約束します。二人で助け合って作っていくね。お父さん、ありがとう……」
父親が頷くと同時に、大きな扉が開いた。
愛香は父親に腕を取られて、ゆっくりと祭壇に向かって歩きだした。
ヴァージンロードの先には、最愛の男性が待っている。彼の横に立って、愛香は神さまに永遠を誓う。
変わらない愛と信頼を、永遠に……
おわり
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