第九章 MVブランド発売

33/35
640人が本棚に入れています
本棚に追加
/322ページ
 ペンセットをチーフデザイナーが担当するということは、その商品がMVブランドを象徴することになりそうだと思った。  大翔は期待が大きくなった。筆記具に力を入れるなら、将来的に万年筆を発売するかもしれない。  (もっと頑張ってみるかな)  万年筆に関して、大翔にはアイディアがある。  でも、毎日が()けるように過ぎていって、大翔たちデザイナーは、土曜日も出勤するようになった。  なので、和香の部屋に行くのは土曜日の夜から。  寂しかったけど、今がMVブランドにとって大事な時期。和香も理解してくれて、一人の時間は勉強にさらに打ち込んでいると言った。  一緒の時間が減ったので、その分、二人の時は今まで以上に寄り添うようになっていた。
/322ページ

最初のコメントを投稿しよう!