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「でも、まだ全然だから、真剣に頑張れよ」
まったく無理と言われていたから、かなりの前進だと大翔は思った。さらに一生懸命頑張る気持ちになった。
進学校なので、ほとんどの生徒が予備校に通っている。直接のライバルではないけど、彼らよりも上位に行かないと合格は厳しい。
「大翔、真っ直ぐ予備校か?」
進路相談を終えて、正面玄関に向かうと、同じ予備校に行くクラスメイトに声を掛けられた。そのとおりだった大翔は頷いた。
「うん。そのつもり。今日の講義は結構大事でさ」
大翔の希望する学部は理系なので、数学や理科系の授業は大事だ。他の講義も大事だけど……
「そっか。じゃ、一緒に行かないか。
俺もこれから予備校だからさ」
「分かった」
素直に大翔は頷いて、クラスメイトと歩き始めた。
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