第一章 見つけた夢

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 そして、見事に大翔は第一志望の大学に合格した。  本人はもちろん、両親も大喜びした。合格発表の夜は自宅でささやかなパーティになった。  「おめでとう。本当に頑張ったな」  父親の祝福の言葉に大翔は笑顔で頷いた。  「うん。ちょっと大丈夫かな、って思ったけど良かったよ。  通学にそんなに時間掛からないし」  近いというほどではないけど、東京の大学に行くことに比べると全然違う。  「あの先輩の(かた)みたいに、家電のデザイナーになるのね」  入学式で挨拶した先輩を知っている母親からの言葉にも、大翔は頷いた。  「そのつもり。あの人みたいなデザイナーになりたいな」  彼の勤める会社は、世界的にも有名な家電メーカーだ。できれば、その人と同じ会社だといいと思った。
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