第一章 見つけた夢

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 ***  無事に入学して、ほんの少し余裕のできた大翔は、サークル活動をすることにした。  「三谷大翔、工学部工業デザイン科の一年生です。よろしくお願いします」  頭を下げると、数人の先輩から歓迎の声が返ってきた。  彼は、鉱物研究会というサークルに参加した。  高校生の時からデザインに関する書籍を読むようになった大翔は、鉱物の結晶に魅かれるようになった。  化石の緻密(ちみつ)な形にも興味が出たので、大翔にはぴったりのサークルだと思った。  でも、美人の先輩が二人もいて、大翔は秘かに赤くなった。  「はじめまして、三谷くんに山下(やました)くん。  サークル代表の飛田(とびた)誠之(まさゆき)です」  挨拶してきた誠之という人は、少し……結構肥満で眼鏡をかけた男子学生だ。でも、優しそうでホッとしてもいた。  「誠之、エラくないから、普通に話して大丈夫よ。  四年生、私と愛香(あいか)と彼だけだから」  美人の女性の一人が、新入生二人に声を掛けてきた。優しそうな人なのに、口調が勝気で少しギャップがあった。
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