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「こんにちは、竹本愛香です。
このサークル、先輩後輩ってないから、気軽にしてね」
もう一人の美人学生が優しい口調で話しかけてきたので、大翔と、もう一人-文学部の新入生の山下孝則が赤くなった。
「あ、赤くなってる。
でも、駄目だよ。愛香には婚約者がいるんだから」
聞いた大翔と横に座っている孝則は驚いた。
愛香という女性は四年生。まだ学生なのに婚約……驚く二人に愛香は苦笑した。
「もう、玲奈、冗談言わないの。
婚約者はいないから。付き合ってる人がいて、今年社会人なの。
その人、ここのOBで、夏休みの特別活動の時は参加したいって言ってるから、その時、会ってね」
言う彼女は、とても幸せそうで、その人のことがすごく好きだというのが分かった。
大翔は真剣に誰かを好きになったことがなかったから、ちょっと羨ましくも見えた。
でも、サークルの空気はのんびりしていて、大翔はここに入って良かったと思った。
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