第九章 MVブランド発売

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 ***  新年が明けると、営業統括本部、営業部、企画部、広報部、そして、実際に販売する店舗部で合同会議が重ねられた。  MVブランドの発売前に、どんな方法で周知させるかを打ち合わせている。  ここまで来ると、大翔-製造部デザイン課ができることは、今はない。工場の改修が終わって製造が始まれば、商品の確認業務は待っているけど。  彼が販売のための宣伝で浮かぶのは、ポスターや雑誌のページに広告を掲載したり、販促品を作って、営業部が取引先に配布する、というものだ。  大翔にはそれ以上は浮かばないけど、他にもいろいろな企画が出るはずだ。  でも、大翔は彰良たちと飲みに行った時、意外な方法も取ると聞かされた。  「え……テレビ?」  驚く大翔に彰良たちは会心の笑みだ。  「ああ、次回の合同会議に提案するんだけど、もうテレビ局の職員には接触してるんだ。いい感触らしいぞ。  そこで、消費者プレゼントに、うちで使える商品券って考えてるんだ。さすがに発売前の商品ってわけにはいかないからな」  「それは、そうだけど、テレビか……考えたことなかったな」
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