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聞いた和香は少し驚いている。確かに、文房具といって、すぐに浮かぶ物ではない。
「万年筆……ちょっと意外ね」
確かに大翔のイメージだと、万年筆は浮かばない。苦笑が出る。
「そうですね。
大学の時、入ってたサークルで、万年筆使う先輩がいたんです。例のトラブルの被害者です。
彼女が万年筆を愛用してたんです。書くところを見ると、滑らかって感じだったんですよ。紙に引っかからないっていうか。
イタリアのブランドでしたね」
聞いて納得したらしい和香は、何度か頷いた。
「そうね……万年筆ならMVブランドを代表できるかも。今は難しいでしょうけど、将来的にはありね。ブランドイメージを上げそうだものね」
和香が賛成と分かると、大翔は嬉しくなった。
「デザインするなら、和香さんが使うところを考えながら描きますね。女性が持って似合うデザインを目指したいですね」
「素敵ね。もし販売されることがあったら、第一号の購入者になりたいわ」
笑顔の和香に、大翔は笑みを浮かべながらそっとキスをした。
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