第九章 MVブランド発売

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 「本当にすいません。寂しい思いをさせて。  もう少しでデザイン完成しますから、やっと土曜休みに目途が立ってきました。  今回の手帳、ちょっと自信ありますから、和香さんに使ってほしいですね」  大翔がデザインしたスケジュールタイプの手帳は、カレンダーが二つあるスタンダードタイプだ。  一か月のカレンダーを二ページに掲載して、そこに簡単なスケジュールを記入できる。  個性を出したのは、日記に変換できる一週間ごとのスケジュール部分だ。  一ページが一週間。それぞれの日にちの部分が二段構成になっているのだ。  上下で、仕事や学校での出来事とプライベートの日記を分けられる。でも、分けるラインは細かい点線なので、無視もできる。  そして、日づけの部分には、曜日、六曜(ろくよう)(大安などがある、何かを行う時に考慮する暦注(れきちゅう)-日時のこと)だけでなくて、記念日協会の制定した中でも、とくに有名な記念日を小さく掲載したのだ。  雑学的な楽しみを手帳に取り入れたかった。  「どんな手帳になるか楽しみね」  和香はやっと笑顔になってくれたので、大翔もホッとして嬉しかった。
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