第十章 後悔しない決断

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 ここまで聞いて、やっと母親が心配そうな理由が分かった。  「それはないよ。勝手に籍入れるのは無いって言ったよね。  その件、年末に帰ったらまた」  勝手に入籍はしない。今のところは。  =でも、白井さんと付き合いは続いてるのよね。  好みとか考えとか、合わなくなってるんじゃないの=  「まさか。今でも喧嘩してないよ。  新ブランドのことで、よく意見交換したりするんだ。デザインと企画って遠いようで近いからさ。  彼女から意見もらってデザイン完成したこともあるし。彼女の感性って、俺に似てるから、全然合ってるよ」  二人が順調に交際を続けていると、母親にも伝わったようだ。  =大翔の仕事にいい影響があるなら良かったわ。  もう少し、お母さんたちに時間をもらえない?=  大翔は了承した。強引に押しても無意味どころか逆効果だ。時間が欲しいと言いだした。それは、いい兆候だから、(あわ)てたくなかった。
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