第十章 後悔しない決断

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 ***  和香との二年目のお祝いをした少し()った頃、社内では大きなニュースが続いた。  大翔は直接は知らないけど、数度見かけた女性が不幸に襲われたと聞いた。  「良くなったって聞いたのに……」  デザイン課で聞いた後、社員食堂で彰良(あきら)から改めて教えられた。  「再発したそうだ。  若い人だから、そうなったら厳しかったらしい。  この前、新堂(しんどう)部長のとこ、二人で休んだろ。仲良かったから行ったんだってさ」  霧山(きりやま)かすみの夫が……  「可哀想だね」  その人を知らない大翔からは、ありきたりな言葉しか出なかった。  そして、その話題が消えないうちに、さらに大きなニュースが本社に広がった。  こちらは、おめでたい内容だった。
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