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大翔の口調は静かで責める雰囲気はなかったのに、二人からは違って聞こえたようだ。
「でも、それは結婚しないと分からないでしょう？
その人と仲良くできるかもしれないんだから」
母親の言葉に大翔は直接言い返さなかった。
「うん。そうなったらみんな幸せになるかもしれない。和香だって、すぐに俺以外の人と付き合うだろうし。
でも、その人と上手くいかなかったら、どういうことが起こるか分かる？」
「え……」
返せない母親に代わって、大翔が自分の問いかけに答えた。
「責めるよね、二人のこと。
無理に結婚させたから、こんな目に遭うんだって。
自分で決めてないんだから、決めた人が悪いって誰だって思うよね」
大翔が何を言いたいか分かったようで、両親の表情は渋い。
「どうなるか、俺も父さんたちも分からない。だから、失敗した時、絶対俺、言うと思う。
和香と結婚してたら上手くいってたのにって。俺が好きだったのは彼女だったのに、どうして違う人と無理に結婚させたんだってね。
その時に、俺も受けただろうってのは通じないと思うね。自分でも分かる。絶対二人を責めるって」
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