第一章 見つけた夢

4/22
前へ
/322ページ
次へ
 「……もし、興味を持った人がいるなら、私はとても嬉しいです。  もちろん簡単ではないです。  工業デザイナーになるには、大学で工業デザインを学ぶか、専門学校の造形デザインというところで勉強します。  もちろん、絶対ではないですけど、有利にはなります。  そして、仕事は本当にやりがいがあります。  将来、何をしたいか、まだ決まってない人は多いでしょう。工業デザイナーを候補に入れてもらえるなら、と願ってます。  改めて、入学おめでとう。  君たちの高校生活が、充実した三年間であることを心から祈ってます」  今までで、一番大きな拍手が送られた。大翔も大きく手を叩いていた。  「俺、工業デザイナーになる。  だから、テニス部に入らない。もっと勉強して、デザインできる大学に入る」  興奮した表情で、大翔は友人に、たった今決めた進路を告げていた。
/322ページ

最初のコメントを投稿しよう!

646人が本棚に入れています
本棚に追加