第一章 見つけた夢

7/22
前へ
/322ページ
次へ
 「全然構わないわよ。  勉強したいって自分から思うなら、お母さん、いっぱい応援するわよ。  ……確かに、あの挨拶は良かったわね。大翔が感動して、同じ仕事をしたいって思うの分かるわ。  それに、挨拶した方も、後輩が挨拶を聞いて目指すことにしたって知ったら嬉しいでしょうね」  息子が勉強したいと、自分から言いだした。  母親には大賛成する事実だ。  そして、目標を持って勉強したいと言ったので、父親も納得したように頷いている。  「きちんと調べて決めたなら、お父さんも賛成だ。  大翔はのんびり屋だけど、これって決めたら(あきら)めない子だからな。  お父さんも応援するから頑張るんだぞ」  「ありがとう。  俺、真剣に頑張る。一生懸命勉強して、工業デザイナーになるね」  大翔は希望を認められた嬉しさで、満面の笑顔になった。  そして両親は、勉強にやる気を出した息子を微笑ましく見ていた。  決めたなら早く手続きをしようと、翌日、大翔は予備校に行った。  (俺も家電製品のデザイナーだな)  予備校を出た大翔は既に(かな)った気分になっていた……
/322ページ

最初のコメントを投稿しよう!

645人が本棚に入れています
本棚に追加