壁
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不思議なことにこの僕もいつの間にか、いつだったか記憶の断片のその欠片さえ残されないまま既にこの海に漂っている。 この海に漂うそれらはなにか漠然とした、 しかし中にはこの漠然とした何かにその一生を全てを賭ける事もある。 その漠然とした何かは、ゼロに限りなく近いゼロで、しかしそれはあるとはまた言うことは出来ない。
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