ヤケ酒顛末記

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 以前酷い失恋をした時に、もうダメだ、これはヤケ酒を飲むしかない、と決心して酒を買いに行ったことがある。  当時徒歩13分の距離にあった一番近いコンビニで、さて酒は何にしようかと考える。やけ酒というからには悪酔いしなければならない。マズいほうがいい。安酒がいい。  どこかで、赤ワインは皮の成分が不純物となり悪酔いしやすいと読んだことがあった。当時あまり飲みつけていなかったので美味いと感じられないのではないかとも思った。そして安いものがいくらでもある。赤ワインを買った。つまみはなし。ヤケ酒なのだ。空腹に浴びるほど飲んで気持ち悪くなってやるのだ。
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