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ボクが作った星空
「まだ変だよ。ひしゃくの柄が曲がりすぎてる」
隣で友達の声がした。
「どっち? 大きいほう? それとも小さいほう?」
「小さいほう。柄の一番の先。あと、暗すぎる」
「ふうん……」
そのまま、友達は目の前に広がる暗闇とそこに散らばった光の屑をじっと見続けた。
「見つからないな……龍も、狩人や王妃も」
酷い。どう見たってそこにいるのに。
「そんなはずない。ボクがそんな間違いするわけない」
この前見た時にそう言ったから、直したのに。
「神様にでもなったつもり?」
その言葉に傷ついた。
「ここではボクが神だよ。……それに、今は夏だろ。狩人の出番じゃない」
「季節が変わるたびに変えてるの?」
何か変なものを見るような目を向けられる。
「当たり前じゃん。自分が作った世界を見守ってるんだ」
「でも、この世界は変だよ。本物と違うじゃん。それにほら……夏ならあそこに鷲や白鳥がいるはずなのに、いないよ」
文句ばっかり。
せっかく作ったのに。
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