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初めに
私の家族は、どこかおかしい。いや、どう考えてもおかしいと思っているのだが、私以外の家族がだれも、そのことを気にしていないのが信じられない。
「この新刊、まじやばいわあ。どう思う、ゆうの君。」
「確かに、この展開は予想していなかった。まさか、受けがその場から逃げ出すとは思わなかった。やっぱいいねえ、BL(ボーイズラブ)は奥が深い。」
「どうでもいい。それより、喜咲(きさき)、面白いマンガを見つけたけど、読んでみない。なかなかいいよ。この姉妹百合もの。」
ある日の私の家族の会話だ。上から母、父、妹のカオス極まりない会話だ。いや、本人たちにとっては、カオスではないのかもしれない。彼らは、これが通常運転なのだ。
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