3.速水さん

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「私さ、速水さんの提案受けるよ。」 「移動の?それがいいよ。少なくともメールでのアプローチはなくなると思うし。」 「それもあるけど…ねぇ、巴。もしも仕事以外無関心な人からそういう目で見られたら…気持ちいいと思わない?」 「え?それってどういう……美桜、まさか…。」 前に私の好きなタイプを聞かれた時。 あのときはなんとなく答えたけど、どうやら私はほしいと思ったら相手に条件なんかないようだ。 「仕事だけとはいえ、あれだけ真っ直ぐに言われたんだもん。そういったアプローチも受けてみたいと思うでしょう。」 もしも。 速水さんから恋愛的な目線を向けられたら。 あの言葉が独占からくるものだったら……。 いったい私はどう思うのだろう? 速水さんから頭を撫でられた時から、少し予感していた。 私はきっと別の興味を持つかもって。 だって不意打ちだったもの。あんな綺麗な笑顔を向けられて…きっかけにならないほうがおかしい。 今日、由美さんが速水さんを名前で呼んでいて。速水さんも許しているし、他の人よりも特別に思っている。 そんなところを見せられたら…悔しいじゃない。 ほんと…由美さんは煽りが上手だわ。 「ちょっと火が付いちゃったかも。」 「あーあ。これ、マジだ。」
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