1.専属秘書

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「本来はもう少し時間をかけて色々と共有していくのだけれど……申し訳ないけどあまり時間が取れそうにないの。だから詳しい詰めと共有は明日話しましょう。今日はひとまずいつもの仕事と資料の方を読んでちょうだい。分からないことは、内線またはメールするか明日聞いて。」 「分かりました。あ、今気になったことを聞いても?」 「何?」 今あれこれ聞いてもしょうがないし、それはそれで幻滅されると思う。 「今日の大まかかなスケジュールと基本的な出社時間を教えて下さい。」 「そうね…午前は社内で、何人かお客さまから電話の予定があるからその対応。午後はお得意さまの企業とアポイントがあるから外出よ。それから特に朝早くから予定がなければいつも出社は8時頃ね。」 教えてくれたことをすぐにメモする。 なぜ、どうして、とか聞いてこなかった。 専属として動くのは数日後でも今のうちに把握できることは把握したかったからありがたい。 きっとその意図を汲んでくれたと思う。 今日、もし聞けるとしたら午前中だけか。 それから意外と朝はゆったりしているようだ。 私はいつも7時30分だからこれ以上早いと合わせないといけないからありがたいかな。 「通達は宮島次長からいくから一応自分からは言わないように。」 「勿論です。」 「そう。」 「あ…全部じゃなくていいのですが、速水さんの過去の案件の報告書を閲覧してもよろしいですか?」 「一般社員に公開してるものは基本的にいい。でも制限してるものは必ず報告しなさい。」 「分かりました。」 確か資料室にもいくつか案件に関わる資料を見られるはず。 報告書はパソコンから閲覧できるから…詳しい内容を見たいときには本人に報告ね。 可能な限りメモすることが私の癖だったりする。 うん。 先ずは色々と自分なりに過去の案件を見て、営業というものを学んで。 速水さんなりのやり方も頭に入れないと。 そしてその上で今後のスケジュールとかも把握しないといけない。 ヤバい、やることしかない。 けど………楽しみでしょうがない。
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