2.完璧主義

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悔しい。 すごく悔しいっ!! 付箋貼ってないところだってやり直さなくていいわけじゃない。 付箋の箇所よりはマシなだけで、良くなかった。 そのことに対して…速水さんは言葉を選んでいた。 選ばずにいられなかったほど、ひどいものだったということなんだ!! 「み、美桜?」 席に戻るなりすぐさまパソコンであらゆる営業のファイルを開く。 過去の資料とか閲覧できるはず。 なんだかすごく視線を感じるけど構うものか。 そんなことより修正しなくては。 私は営業のことをまるで理解してない。 まずは資料の何が悪いのかを理解しなくてはいけない。修正はそこからだ。 「美桜!!」 「わっ……!!巴?」 「どうしたのよ?その顔は。まるで急いで解除しないと爆弾が爆発する!みたいな解体屋のよう。」 「その例えはどうなのよ…。」 いきなりスケール大きくなってるけど。 どこから来たのよ、爆弾は。 「どうもしないよ。」 「そんなわけないでしょ。ピリついていることがバレてないとでも思ってる?」 「巴…。」 そんなに顔に出てた? それはそれで秘書失格だよ。 もっとスマートにいかないと。 「強いて言えば、自分の無能さを呪ってる。」 「あんたが無能だったら…。」 これ以上巴は言わない。 それはそうだ。 私達はまだまだ若手なんだから。 ベテランが多いこの秘書課の中では下なんだ。 でも周りなんて関係ない。 自分の無能さは自己責任なんだから。
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