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今はあの人のことしか考えられない。
色々な噂があるけれども次々と実績につなげている実力は本物。
そんな人の秘書候補になれた。
だから失望されたくない。
「じゃあ私と付き合っちゃう?」
「それはやめておきます。」
「即答されるとそれはそれで傷つくわね。私なら美桜ちゃんのこと分かってるし、仕事にも真剣なのにぃ。」
「色んな女の子に声をかける人は論外ですよ。」
確かに由美さんのことは尊敬している。
私のBIということもあって色々と教えてもらったし、今も相談できる数少ない人。
私以上に仕事に熱心なのも知っている。
でもこの人……軽いからなぁ。
あまり知られてないけれど…。
「私、恋人には自分のこと以外考えてほしくないので。」
「あれ?意外だね。もしかして束縛とかする?」
「それはしませんね。」
なんだか納得していない感じだった。
不満げに首を傾げている。
「だって他の女なんて眼中にないくらい徹底的に堕とすので、束縛する必要なんてないもの。」
「……前言撤回。美桜ちゃんらしいわ。」
いつもそう。
私は相手にずっと好きでいてもらえるように努力を惜しまない。
喧嘩だってするけど、それでも別れるときはいつだって私から。
それか私が仕事に熱中しすぎて、なかなか会えなくなった時、向こうから自分ばかり求め続けるのが辛いと言われて別れたくらい。
「ほんとに美桜ちゃんって面白いわー。」
「それはどうも。」
「美桜ちゃんを満足させられる人ってどんな人か気になるわねぇ。大変そう。」
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