another2. 秘書課のエース

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私も今の役職につくまで、何度振り回されたことか。 「あの噂の一匹狼が懺悔ねぇ?」 「別に懺悔では…。」 「どう?美桜ちゃんの照れ顔は?艷やかな髪の感触は?」 「うっ!!」 あの場面まで見てたの!? そりゃあ最高…じゃなくて、わざと思い出すような言い方してくるとか! 「特別なことじゃないよ?あの子に触れたいと思ってる人は数知れず。私もついつい撫でちゃうのよねぇ。」 やっぱり。 あの子を見ている人は少なくない。 直接アプローチしにいっている人はそう多くないみたいけれど。 いやそれよりも聞き捨てならないことを聞こえた。 「……。」 「そう睨まないでよ。」 「撫でてるのですか?」 「え?」 「あの子に触れてるのですか?」 噂によると触れるどころかほとんど個人的な誘いには乗らないという。 仕事一筋と有名。 そんな彼女のことだから、触れるなんて余程の仲でないとありえないと思う。 さっきなんて不意打ちという卑怯な手段だったこそ、できたこと。 そのことだけで二人はただの知人ではないって嫌でも分かってしまう。 私の問いに本城さんは目を丸くした後、ニヤニヤした顔になる。 絶対からかわれる。 でも私だって否定できないもの。 「そっかそっかぁ!!」 それでもこの人だけには知られたくなかったなぁと思わずにはいられなかった。
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