3.速水さん

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「お待たせしました!」 やがて、それぞれ注文したメニューが来るなり、早速おしゃべりの由美さんが口を開く。 「それにしてもみんなの驚きぶりは見ものだよね、未だ噂の中心だよ?」 「しょうがないですよ、速水課長と美桜はただでさえ注目されやすいので。」 確かによく自分の噂は聞くし、視線を感じることも多い。それは速水さんと一緒にいることでより増えた気がする。 「くだらないわね。そんな暇があれば少しでも仕事をするべきだわ。」 「みんな芹佳みたいだったら、殺伐とした職場になるわ!!」 想像してみる。 私は仕事に集中できるからいいけど、確かに戦争ものになりそう。 より誰が昇進するか、とか。 「あ、でも美桜。誘われる回数は減ったんじゃない?」 「いや?全然。」 あ、このシチュー美味しい。 カリカリに焼いたパンとよく合う。 特に難しいものでもなさそうだし、今度家で作ろうかなぁ。 「うん?どうしたの?」 急に会話が途切れたのでみんなを見れば…。 「「「え??」」」 全員が私を見ていた。 それも驚きを隠さずに。 速水さんの驚きはレアものだろうなぁ 「美桜、それマジ?」 「うん。」 基本的に忙しくなったし、速水さんといるときに声をかけられることはなくなったけど…。 一人になった途端、話しかけられては誘われるようになったし、社内メールで誘ってくる人が増えてしまったから…むしろ…。
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