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「お待たせしました!」
やがて、それぞれ注文したメニューが来るなり、早速おしゃべりの由美さんが口を開く。
「それにしてもみんなの驚きぶりは見ものだよね、未だ噂の中心だよ?」
「しょうがないですよ、速水課長と美桜はただでさえ注目されやすいので。」
確かによく自分の噂は聞くし、視線を感じることも多い。それは速水さんと一緒にいることでより増えた気がする。
「くだらないわね。そんな暇があれば少しでも仕事をするべきだわ。」
「みんな芹佳みたいだったら、殺伐とした職場になるわ!!」
想像してみる。
私は仕事に集中できるからいいけど、確かに戦争ものになりそう。
より誰が昇進するか、とか。
「あ、でも美桜。誘われる回数は減ったんじゃない?」
「いや?全然。」
あ、このシチュー美味しい。
カリカリに焼いたパンとよく合う。
特に難しいものでもなさそうだし、今度家で作ろうかなぁ。
「うん?どうしたの?」
急に会話が途切れたのでみんなを見れば…。
「「「え??」」」
全員が私を見ていた。
それも驚きを隠さずに。
速水さんの驚きはレアものだろうなぁ
「美桜、それマジ?」
「うん。」
基本的に忙しくなったし、速水さんといるときに声をかけられることはなくなったけど…。
一人になった途端、話しかけられては誘われるようになったし、社内メールで誘ってくる人が増えてしまったから…むしろ…。
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