その気持ちは時間とともに

3.速水さん

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結局その場ですぐに返事をすることができず……。
急な話だし、ゆっくり考えてもいいとも言われた。

でも私の中ではもう決めていた。
返事が出来なかった理由は別にある。

「いやぁ、美味しかったね。」

「抜群のお店選びはさすがだよね。」

「由美さんから二人共連れてこいって言われたときは少し緊張したけど、噂は所詮噂だね。速水課長って普通に面白いや。」

「仕事忠実なだけで、いい人でしょう？それにしても二人があんなに仲がいいのは驚いたかな。」

後から聞いた話、二人は先輩後輩だけど同期みたいな関係らしい。
速水さんは嫌そうにしてたけど…それなりに仲良く？してるって分かる。

由美さんにとっても速水さんは他の人より特別なのも分かる。

「あーそれは私も。由美さんってコミュ力の塊だけど、結構速水課長のこと気に入ってるって感じがしたよねぇ。」

由美さんが気に入るのは分かる。
私も速水さんのことは尊敬してるし。

「はぁ…やっぱり由美さんって性格悪い。」

「それは今に始まったことじゃないけど…どうしたの？」

全く…。
99％自然体なんだろうけど。
由美さんのことだから1%の故意に気付くことも見越してるんだろうなぁ。

私が承認欲求の塊だって知っている上で…あの1%の煽り。