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「私さ、速水さんの提案受けるよ。」
「移動の?それがいいよ。少なくともメールでのアプローチはなくなると思うし。」
「それもあるけど…ねぇ、巴。もしも仕事以外無関心な人からそういう目で見られたら…気持ちいいと思わない?」
「え?それってどういう……美桜、まさか…。」
前に私の好きなタイプを聞かれた時。
あのときはなんとなく答えたけど、どうやら私はほしいと思ったら相手に条件なんかないようだ。
「仕事だけとはいえ、あれだけ真っ直ぐに言われたんだもん。そういったアプローチも受けてみたいと思うでしょう。」
もしも。
速水さんから恋愛的な目線を向けられたら。
あの言葉が独占からくるものだったら……。
いったい私はどう思うのだろう?
速水さんから頭を撫でられた時から、少し予感していた。
私はきっと別の興味を持つかもって。
だって不意打ちだったもの。あんな綺麗な笑顔を向けられて…きっかけにならないほうがおかしい。
今日、由美さんが速水さんを名前で呼んでいて。速水さんも許しているし、他の人よりも特別に思っている。
そんなところを見せられたら…悔しいじゃない。
ほんと…由美さんは煽りが上手だわ。
「ちょっと火が付いちゃったかも。」
「あーあ。これ、マジだ。」
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