その星は私の願いを叶えない

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「この、ここ押すと、」 「うわ!」 「こうなって、」 「わわわ!」 「きらきらってなるの、分かる?」 「分かる!!」 「こうなってから落ちると、明日海岸で星のかけらが集められるの」 「星のかけらって、隕石っ?!」 「……まあ、そう?」 「すごいなー、そんな簡単に隕石拾えるんだ……!あ。」 「あ?」  ゆきの顔が曇った。 「危険じゃない? 隕石拾い」 「え?」 「隕石って、有害物質とか未知の微生物とか付いてるかもしれないって言うし」  …………ゆき。なんの心配してるの。  だから、ゲームだってば。  そういう具体的で物騒な話じゃなくて、星のかけらを集めるとDIYで作れる物が……って細かく説明するのは正直言って面倒くさい。 「大丈夫。お星様、落ちるとこんぺいとうみたいになるから」 「こんぺいとう……」 「ほら、おかあさんがくれた『おほしさまのおうち』に入ってるやつ。ひいばあちゃんのくれたおやつだよ」 「そっか」  そう適当に流したら、ゆきは納得したらしい。そっかそっかと繰り返すので、私がご飯を作るの間のお星様集めをお願いしてみることにした。
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