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4 決着、そしてその後 12:55
目の前に転がるこの小さな亡骸を、どう処理しようか。
死んでいるとはいえ、その存在感は圧倒的だった。
正直、これ以上近づきたくないのだが、亡骸を何とかしなければ、今回の行動はほとんど意味がないと言ってもいい。
だがよく見ると、叩いたことによりあちこちが潰れており、羽や足が取れて近くに転がっている。それが余計に俺を足踏みさせた。
しかし約束の時間も刻一刻と迫っている。躊躇している暇はない。
俺は台所からキッチンペーパーを取ってきて、ヤツの方に手を伸ばし、亡骸をキッチンペーパーで包み込んだ。
そしてすかさず、細々したゴミを入れたレジ袋に亡骸をくるんだキッチンペーパーを放り込む。そしてレジ袋の持ち手を厳重に、固く結んだ。
ここで俺はようやく一息つくことができた。吐く息とともに、この数分の間に起きたことが思い出される。あまりにも濃密な出来事に、思わずむせ返しそうになる。
神経をすり減らしたが、カホが来る前に片がついて良かったと、ホッと胸をなでおろした。
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