4 決着、そしてその後  12:55

1/5
前へ
/15ページ
次へ

4 決着、そしてその後  12:55

 目の前に転がるこの小さな亡骸を、どう処理しようか。  死んでいるとはいえ、その存在感は圧倒的だった。  正直、これ以上近づきたくないのだが、亡骸を何とかしなければ、今回の行動はほとんど意味がないと言ってもいい。  だがよく見ると、叩いたことによりあちこちが潰れており、羽や足が取れて近くに転がっている。それが余計に俺を足踏みさせた。  しかし約束の時間も刻一刻と迫っている。躊躇している暇はない。  俺は台所からキッチンペーパーを取ってきて、ヤツの方に手を伸ばし、亡骸をキッチンペーパーで包み込んだ。  そしてすかさず、細々したゴミを入れたレジ袋に亡骸をくるんだキッチンペーパーを放り込む。そしてレジ袋の持ち手を厳重に、固く結んだ。  ここで俺はようやく一息つくことができた。吐く息とともに、この数分の間に起きたことが思い出される。あまりにも濃密な出来事に、思わずむせ返しそうになる。    神経をすり減らしたが、カホが来る前に片がついて良かったと、ホッと胸をなでおろした。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加