第一縁 おいしい焼き鳥の食べ方

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 二人して串のまま、あぐりと肉を頬張る。  先ほどのやさしい酢の物の酸味から、大葉の上品な爽やかさが広がる。  ゆっくりと噛んでその香りを楽しむ。  飲み込むと、二人揃って鼻から深呼吸をした。  ほぅ  と、吐息を漏らす。 「美味しいね!」  わたしは、憑物が落ちたように自然に笑顔になって、彼に向かってそう言った。  自分の笑顔に気付いたのは、彼がぽっと驚いた表情になったからだ。  一拍置いて、彼も満面の笑みで 「うん!」  と返事した。(え、なに、めっちゃかわいいじゃん)  カウンターの向こうではお店の二人が怪しげにふふふ、と微笑んでいた。
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