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「すみません、お白湯もらえますか?」
ほっとひと息ついたところで彼がユリさんに注文した。
わたしもユリさんも一瞬ぽかんとしたが、さすがユリさんすぐに
「ほいよ〜」
とカウンターの中へ。(不思議な人だ……)
いただいた湯呑みを両手で抱えてひと啜り、彼は
ほぉ〜〜
と息を吐いた。そうしてまた、何事もなかったように山芋をつまみ、お酒を呑んだ。
(あ、どうして白湯を頼んだかは説明しなさそうだな)
どうやら彼はさっきの不思議な間をなんとも感じなかったようだ。
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