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曲が終わるとみんなで拍手をして、小粋な紳士は全員ににこりと目配せと会釈をすると、またちびちびお酒を舐めはじめた。
「ごちそうさまでした!」
わたしの同行者はもうご満悦の模様。
ユリさんにお会計を頼んだ。
「えっ?」
会計を見て驚いた。
安い。二人でこの値段は計算ミスじゃないかと思うほど、安かった。
わたしは早足でレジのユリさんのところへ行き、
「これ、あってます?」
と訊くとユリさんは、待ってましたという笑みで、
「あってるよーん」
と答えてすぐに小声で、
「うちの店長、けっこうすごいのよ。いろんな人と仲良いの」
と付け加えてウインクした。
カウンターでは男三人でなにか談笑していた。
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