第一縁 おいしい焼き鳥の食べ方

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 曲が終わるとみんなで拍手をして、小粋な紳士は全員ににこりと目配せと会釈をすると、またちびちびお酒を舐めはじめた。 「ごちそうさまでした!」  わたしの同行者はもうご満悦の模様。  ユリさんにお会計を頼んだ。 「えっ?」  会計を見て驚いた。  安い。二人でこの値段は計算ミスじゃないかと思うほど、安かった。  わたしは早足でレジのユリさんのところへ行き、 「これ、あってます?」  と訊くとユリさんは、待ってましたという笑みで、 「あってるよーん」  と答えてすぐに小声で、 「うちの店長、けっこうすごいのよ。いろんな人と仲良いの」  と付け加えてウインクした。  カウンターでは男三人でなにか談笑していた。
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