第二宴 おどれ!コマイちゃん

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 先日は青かったアジサイはもう散り、別のところに赤いアジサイが咲いていた。  ベンチに座って何を食べようか思案していると、 「やあ」  と、彼の声がした。(待っていたわけではない、待っていたわけでは、ない) 「おお、また会ったね」  喜びを抑えて挨拶をする。  実のところ、なぜか、今夜は彼に再会できるような気がしていた。  あるいは、会えればいいなあ、と思っていた。  今日の王子さまのいでたちは——わたしは心の中で彼を、王子さまと呼ぶことにした——水色から白のグラデーションがかった浴衣に紺色の帯をしていた。 「キミやっぱりこの辺の——」  わたしが訊こうとするやいなや、 「今日はお魚が食べたいね!」  と王子さま。や、食べたいけれども。 「どこか、知ってる?」  ……鮮魚居酒屋探しを始めた。
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