第二宴 おどれ!コマイちゃん

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 ネット検索は王子さまに封じられてしまったので、繁華街から良さげなお店を足で探す。  わたしはもう、腹ぺこへろへろなので、ここでいいじゃん、と思うのだけれども、王子さまはそんな店には見向きもしない。  引き戸の古風な店構えの前で、ふと彼が立ち止まった。 「こことか、どう?」 「ん、いいんじゃない?」(こちとら腹ぺこよ)  カラカラと戸を開けて、店内を眺める。  店員さんがなかなか来ない。  王子さまはひまそうに、店先の風鈴を扇子であおいで、チリンチリンしていた。  その音で気付いたのか、 「いらっしゃいませ〜!」  と若い店員さん。カウンターに案内された。  今日は最初から日本酒を頼むことにした。 「このお酒、なんて読むんですか?」  読み間違えると恥ずかしいので、わたしは知らないお酒はいつも読み方を訊くことにしている。 「えっと……ちょっと待っててください!」  一瞬の間の後、店員さんはそう答えて足早に店の奥へと引っ込んだ。
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