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賑やかな通りを抜けて、静かな商店街へ入った。
二人できょろきょろしながら黙って歩く。
良さそうなお店を見つけるたびに二人で目を合わせて、首を傾げる。
古びた赤提灯、
点滅する蛍光灯、
そんな店の前で立ち止まっては、なんかちょっと違うね?というアイコンタクト。
商店街ももう終わろうかという角の店で、ふと彼が立ち止まった。
年季の入った店構えなのに、綺麗な暖簾がかかっている。ふらりと立ち寄りたくなるような暖かな明かりを感じた。
「ここにしよ」
彼が目を輝かせて、にこにこしながら言った。
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