仮定:「人類は自らの滅亡を望んでいる」を証明せよ

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博士はPCを操作していた手を振り上げ、握りこぶしをキーボードに叩きつけた。 「なにを()されたのか、教えていただけますね? サトー・ビイト博士」 タイラの冷静な問いかけに、博士は口の両端を上げる。 「いい質問だ。君は……、エブリスタという小説投稿サイトを知っているかね?」 カエデが趣味の創作活動を発表している、WEB小説投稿サイトだ。 「今年は開設20周年でね、10周年のときと同じテーマで作品を募集している」 「パパはもしかして、妄想コンテスト『星降る夜に』のことを言っているの?」 サトー博士は両手を頭の上にあげて、手を叩いた。 愛娘のことを小馬鹿にするような振る舞いだ。 「このテーマの応募作品は、かなりの割合で『巨大隕石や流星群が降ってくる』という展開だ。小説にこそ創作者の潜在的な欲望や思念が色濃く抽出されている、ということだな。私はそれらすべてを具現化してやった」
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