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タイラは鞄から自分のPCを取り出して、エブリスタのHPを開いた。
「人々は滅びを求めている、と仰るのですね。私はそう思いませんが」
またしても意味不明の奇声を発して、サトー博士は人差し指を突きつけた。
「よろしい。ならば命題を与えよう。タイラ君、『仮定:人類は自らの滅亡を望んでいる』を用いて、自説を証明してみせたまえ。ちょうど私が思念具現化装置へ送った、滅亡を欲する作品群が具現化する頃合いだ。突然実体化した小惑星や流星群、宇宙ゴミを見つけた人々は、神に祈りを捧げているだろうよ」
言葉が途切れると、低いうねるような音が大気を振動させた。
時おり、「ぴい」と高周波の音を発する物体が、頭上を通過していく。
大地が小刻みに震えていた。
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