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2週間後、かの「星降りの夜」の調査結果が発表された。
夜空を昼よりも明々と照らした地球への落下物は、無数にあったようだ。
「少なくとも、億は超えていたと思われます」
報道番組に出演する専門家のあて推量に、カエデはため息をついた。
「もう、たくさん。誰も、何もわかってないんだから」
「仕方ないよ。もし本当のことが分かったら、たいへんだ」
思念具現化装置が、いや思念物理学そのものが軍事転用されるだろう。
「ねえ、どうやって地球を救ったの」
カエデの問いに、タイラの眉が上がった。
「説明したはずだよ。博士が使ったのと同じ投稿作品たちを、具現化装置に入力したんだ。君のお父さんは隕石落下などのカタストロフィを選んだ。私はみんなが考え出した、隕石に対抗する『手段』や、破滅を回避する『奇跡』を選んで、具現化装置に読み取らせたんだよ」
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