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ホームに滑り込んできた電車に乗り込んで、少し混んでいる通路に立つ。窓の外には、斜めに注ぐ日の光を受けて乱反射するビルの窓や街路樹が、過ぎては現れ、輝き、通り過ぎていった。
わたし・・・あのとき・・・
あああっ!!!そういえば、連絡先交換してたの、たぶん見られてたわよね。でもそのあと、連絡先知ってる?ってみどりに聞かれたときに、知らないって言ったわ。もしかして後ろめたいことがあるって勘繰られたのかしら・・・
やっぱり何か誤解されているわよね・・・
・・・
うん、やっぱり、会って話しをしよう。
えっと・・・美優は今日、用事があるから先に帰るって言ってたわ・・・
会えるかな・・・メッセ入れてみようかな・・・
あっ、でも。
会いたいって入れても、美優が会いたくないって言ったらそれで終わり・・・
駅で待ってみようかしら・・・うん。そうしよう。
わたしは、一度通り過ぎた美優の家の最寄り駅に戻るために、途中の駅で降りて、反対側のホームに急いだ。
・・・もし、すでに美優が家に帰っていたら?もし、用事っていうのが、家の人と車で出かけるとかだったら?もし・・・
いろいろな“もし”が頭の中をよぎっては消えていった。そのすべては、“美優に会えないかも”なのだけれど、今はそんなことを考えていてもしょうがない。
とにかく会えることを信じてみよう。
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