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わたしは・・・美優を不安にさせた罪悪感と引き換えに守りたかったものってなんだろう、とおかしなことを考えながら、とにかく誤解を解かないと、と思って、ゆっくりかみしめるように美優に話し始めた。
「美優・・・大好き。不安にさせてごめんなさい。もう誤解させないように、全部教えるわ。聞いてくれる?」
「・・・うん」
「私ね、昔、子役としてテレビに出てたの。カブ君とはその時に一緒に仕事していた仲間よ」
「え?」
「みんなに知られたくなくて、カブ君に言わないようにって伝えたくて、保健室から連れ出したの」
「そうだったんだ」
「その時に、一緒に番組に出てた昔の仲間と会おうって言われて、連絡先の交換したの」
「ええ?!・・・じゃぁ、付き合ってっていうのは?」
「わたし、ずっと当時の仲間と連絡とってなかったからだと思うわ、カブ君が、一緒に来てよっていう意味で、つきあってよって言ったのだと思うわ」
「あ・・・ああ・・・」
美優の緊張が解けた気がした。
「それと」
「?」
「わたし、男の人が怖いの」
「えっ?」
「ドラマの撮影で、人質に取られる役で、男の人に乱暴にされて・・・もちろんお芝居だったのだけど・・・それでもそれが・・・」
「優依・・・」
美優がわたしの手をそっと握ってくれた。
「もう・・・もういいよ・・・ありがとう。全部言ってくれて」
「美優・・・」
突然、美優はわたしの前にばばっと立って、まっすぐわたしを見下ろした。
「ごめんなさいっ!」
腰が直角にまがるくらい、ずばっとお辞儀をしながら、美優はあやまってきた。
「あたし、やっぱり間違ってた。優依の事、もっとちゃんと信用しなくちゃいけなかったんだ!」
「みっ・・・美優っ・・・」
わたしはびっくりして、美優の肩を持って、押し上げようとしたけど、アスリートの身体は、びくともしなかった。
「あたし・・・優依に、つらかったことを告白させるようなことをして、ごめんなさい」
腰を直角に曲げたまま、美優は地面に向かって叫ぶように言った。
「美優、顔をあげて?わたしこそ、美優に先に言っておけば良かったの。だから、ね?」
美優はそっと顔だけを私のほうに向けて上げた。ちょうど座ってるわたしの顔の高さに上げた顔があった。
ちょっと半べそをかいたような美優の顔が、とっても愛しく思えて、わたしはそのままそっと、美優にチュっとキスをした。
「えっ・・・」
美優が目をまるくしたのをちょっと楽しんだ後、まわりを見渡して、誰もこちらを見ていないことを確認したあと、自分も立ち上がり、美優の前にまっすぐ立った。
「嫌いになんか、ならないわ。だから・・・」
そう言って美優の首に手を回して、美優にまっすぐキスをした。
美優もわたしの背中と腰を後ろから手で押して、ふたりで体を押し付けあって、お互いを感じあった。
舌をからめあった唇に、すぅっと涙が流れ込んできた・・・
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