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結局その日はみんなでいつもの喫茶店でお茶して帰った。トイレから戻って優依の予定を伝えたら、帰りの会が作戦会議になった。
それでも、集合時間と場所を決めただけで、あとは全然ちがう話をしたのだけれど。
まぁ、そんなもんだよね。
あたしは優依と一緒にプールに行けるって言うだけで、わくわくが止まらなくて、家に帰ってもなんだか地に足がついていない感じだった。
【あとで、電話していい?】
メッセを送ると、じきに返信が来た。
【いいわ。何時くらい?】
【うーん、お風呂のあとがいいから、10時かな】
【分かったわ。またあとで♡】
【うん。またあとで♡】
ふふふっ・・・
優依・・・すき。
どんな水着かな・・・
きっと可愛いんだろうな・・・ふふっ。
ひとりでに顔がにやけてくる。
「みーちゃーん、お風呂入りなさいよー」
「はーい」
階下からのママの声に返事をして、あたしは着替えをかかえて階下に降りて行った。
はやく優依と話しをしたい・・・そう思いながらお風呂に入ったせいか、なんだかいつもよりあわただしく入ったみたいで、髪を乾かしてもまだ9時半をすこし回ったところだった。
「あー・・・まだあと20分以上もあるのか・・・」
そうつぶやいてベッドの上にごろんと横になった。
昨日の夜の、公園でのキスが唐突に思い出されて、幸せな気分になった。
「優依・・・」
そっと唇に人差し指をあてて、感触を思い出す・・・
もやっとした気分になって、もう一方の腕で自分を抱きしめてみる・・・
優依の感触を思い出して・・・
ピコーン!
「わぁっ!」
メッセージが入った音に驚いて飛び起きた。
あわててスマホを掴んでメッセを確認する。
「優依!」
【美優、お風呂早く出たから、電話いつでもいいわよ】
あはっ・・・優依も同じなのかな・・・はやく話したくて、お風呂早く出たとか・・・うふふふ・・・
【あたしも、早く出たから今から電話するね】
送信っと。
既読になったのを確認して、通話をする。
コール1回ですぐ出た。胸がときめいた。
「もしもし優依?」
「あ、美優?こんばんはっ」
「あはっ、こんばんは。おふろ、早かったね」
「そっ、そうよっ・・・だって・・・うん」
「だって?」
「はっ・・・はやく声が聞きたかったし・・・」
い・・・いきなりっ!
なにこの、いきなりのらぶらぶ音声っ!
んー・・・あたしはたまらずまたつぶやいてしまった・・・
「・・・っかわいいっ・・・」
「え・・・っと・・・もっ・・・もう、からかわないで・・・」
あ、もう顔が真っ赤になってるな?
「ねぇ、ビデオ通話にしない?」
「えっ・・・うん、あっ、ちょ・・・ちょっと待って・・・」
ゴソゴソッ・・・ガサッ・・・なんか音がしてる・・・
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