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あたしはスピーカーにして、サイドテーブルの上に置いて、ベッドの端に座った。
画面が、アイコンから優依の部屋の映像に変わった。
とたんにあたしはもう、顔がにやけまくって直らないのが分かるくらい、にやけてしまった。
「っ可愛いぃぃぃぃっ!」
「ええーー、なに、なに?どこが・・・えっ・・・恥ず・・・」
画面の向こうでタオルを髪に巻いて上気した顔の優依が、スマホを自分の向きに落ち着かせようと必死に動かしていた。
「えー、なんでちゃんと立たないかなぁ、もぉ・・・あっ、なんとか・・・ここで・・・っと!はぁ、できた」
「お疲れ様」
「えっ、ああ、えっと、ごめんなさいっ・・・あーもぉぅ、恥ずかしいわ」
「ふふっ・・・大丈夫だよ」
「美優も、お風呂出たとこなのよね?」
「そう。あたしも、なんだか早く電話したくて、すぐ出てきちゃった」
「うふふふ・・・いっしょね」
「うん」
ちょっとの間、みつめあった・・・
「それで、土曜の話し」
「あ、ええ。あのね、土曜なんだけど・・・昔の仲間と会う約束なの」
「うん、そうだと思った」
そう言ってみたけど・・・ちょっと胸がチクってした。
優依が、ちょっと目を伏せ気味にして、つぶやくように言った。
「それでね・・・」
「うん」
「あっ、だっ、大丈夫よ?カブ君と2人だけで会うわけじゃないわ。ほかに、女の子2人と男の子がもうひとり・・・」
そんな言い訳みたいにしなくてもいいのに・・・
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