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「確かに面白そうな話だと思うけど、お金はどうするの?」
電話の向こうでキーボードを叩く音が聞こえる。すーちゃんはスマホで話しながらパソコンで何か調べているらしい。
すーちゃんは幼馴染で元生徒会長だ。成績も良かったから今は県内一の進学校に通っている。なべポンより先生たちの信頼は厚い。
「お金って何の?」
「打ち上げ花火をするには、県の許可がいるんだって。申請のために1万2千円。それと消防署に3千円。それに、華のおじいちゃんにタダで花火打ち上げてもらえるわけじゃないんでしょう? 1発5千円くらいするって」
「そんなに……」
すーちゃんに相談したのは正解だけど、実現は遠のいてしまった。
「吹奏楽部、華の代は何人いるんだっけ」
「16人」
「1人千円くらい出してもらえれば、申請代は払えるでしょう。あとは花火を何発上げるのか……」
千円。500円くらいなら何とかなるかと思ったけど、千円はなかなか厳しい。しかも千円出しても、花火代まではまかなえない。
「これは私の考えなんだけど……」
すーちゃんの声にすがるように、スマホを耳に押し付ける。
「ただの卒業演奏会じゃなくて、もっと大きなイベントにしたら? 人が集まればお金も集まるし」
「でも、今はたくさん集められないよ」
「1か所に集めなければいいんだよ」
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