事故物件

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「住宅ローンってそんなに金利安いんだ。俺が開業したときは、金利2.3%と保証料で0.5%くらい取られたものだけど。借りなきゃソン、みたいな気分になるな」 「担保がありますからね。そのぶん金利も低いんです」 「さすがに、買うにしても買わないにしても、今すぐ即答ってわけにはいかない。もう少し考えさせてくれる?」  そうは言ったものの、垣田の心はすでにほぼ決まっていた。  正午から家電製品やタンスなどの荷物を業者に搬入してもらって、それから空き段ボールの片づけや衣類の整理などを始めたが、思うように片付かなかった。もう午後4時になって、夕方の光がカーテンのない部屋に差し込んできて、少し暑い。垣田はマジックで段ボールに、「カーテン」とメモをした。  しかし今日はもう、買いものに行く時間などないだろう。6時には家を出て、店を開ける準備をしなければならない。これからメシを食って風呂に入る時間を考えれば、もう今日の作業はこれで終わりにするべきだろう。  腹が減ったが、冷蔵庫のなかは空のまんまだった。コンビニで何か買ってくるしかない
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