〇〇差別

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「いや、まあまだ問い合わせがあって、一度視察したいって言ってきただけだから、見込みがあるともないとも言えないような段階だよ」  一杯目のビールが空いて、二杯目を注文した。 「しかし先輩、婚約者がいるのに、俺みたいな後輩と一緒に呑んでいてもだいじょうぶなんですか?」多少、遠慮なさげに正樹がたずねた。 「え? ああ、特に問題ないよ。週に一回は、フィアンセの実家に行って晩御飯をごちそうになってるんだが、それ以外では平日の仕事終わりはけっこう自由にさせてもらってるよ。式まではまだずいぶん時間あることだし、急いで決めなきゃいけないようなことはもう決めちゃってるから」 「理想的ですよねえ。学生時代から6年越しの恋を実らせて結婚なんて。俺なんかもう彼女いない歴が6年になろうかというのに」 「いやいや、それが相手方の親や親族と関わるっていうのは、四面楚歌とまではいかないものの、なかなか居心地の悪いものだよ。当然これからも親戚付き合いしてかなきゃいけないから、イヤでもそのうち慣れるんだろうけど、やっぱり多少、気を使うもんだ。まあ、それはお互い様かもしれないけど」
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