夏休みのアオハル

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「お前、手汗すごっベタベタしてる。俺と繋いで緊張してるのか?」 「そういうこと言う?もう、繋がないよ」 「脅しかよ。繋がないとか絶対なし」 ぎゅっと繋ぐ手に力がこめられた。 壮士と歩くと視線を感じるようになった。 イケメンが過ぎる彼氏も考えものだ。 見知らぬ人が「すごっイケメン」「なにあのひと、タレントかな?」 と囁いて通りすぎることもしばしば。 同時に隣で手を繋ぐ私を見て、つりあわないとか、ブスのくせにとか関係ない人に囁かれたりする。 そのたびに傷つく。 だよね、確かにつりあわない。 人の悪口に、へこむ私に壮士が私の頭をポンポンしてくれ、軽く頭にキスしてくれる。 「気にするな、舞」と慰めてくれる。 気にするなって言われても、やっぱり気になる。 私って壮士に似合わない。 そんなの私もわかってる。
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