夏休みのアオハル

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新しく出来た水族館。 水族館自体が綺麗だった。 「わーー、スコールだ」 雨が降ってくる演出もある水槽の前で立ち止まる。 「お前、楽しそうだな」 「うん、楽しいよ。壮士と一緒だし」 「お、可愛いこと言えんじゃん」 壮士がにっこり笑った。 この笑顔が好き。 優しい眼差しが好き。 あーー私、壮士にスゴく惚れてる。 私ばっかりこんなに好きで、なんか悔しい。 ため息がでてしまった。 「あれ、飽きたのか?」 「ううん、違うの。なんか私だけでずるいなーって思って」 「何が」 「私だけ壮士のこと、その……沢山好きで……」 恥ずかしいことを言ってる。 でも、本当に思ってた。 私の方が壮士を好き。 どんどん貪欲になっていく。 自分で自分が恐ろしい。こんなに好きになるなんて思ってなかったから。
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